先生がいてくれるなら③【完】
「明莉から言わなくたって、二人はどのみち付き合ってたって事よね」
──もし本当にそうだったなら、とても嬉しい。
とても嬉しいことだけど……
だけど、もう、元には戻れないんだ──。
「みんな、ありがとう」
私のことを心配してくれて、集まってくれて、いろいろ教えてくれて、本当にありがとう。
でも────
「でも、もう、終わったんだよ。もう、私は先生の彼女じゃない」
私はそう言って、精一杯の笑顔を作った。
だけど、どうしたって辛くて悲しくて、涙がひと筋頬を伝う。
そんな私を、この場に集まってくれた4人はずっと優しく慰めてくれた。
──ありがとう、みんな。
本当のことを言えなくて、ごめんね。