先生がいてくれるなら③【完】

* * * * *

リハビリも順調に進んでいるらしい高峰さんの元を訪ねた私。


いま、高峰さんとにらみ合っている所です……。



「ぜっっったい教えないから」

「そんなこと言わないで、教えて下さいっ」

「イヤ」


何の話かって言うと、高峰さんの連絡先の話ですよ。


メッセージアプリのIDを聞き出そうとしたら、この返答……。


「だって私が急に来られなくなった時に一応連絡しときたいじゃないですか!」

「……あなたが来なくたって心配なんかしないから、連絡しなくて良いわよ」

「ひどい! ちょっとぐらい心配して下さいよ!」

「イヤよ、なんで私が心配しなきゃならないのよ?」


ぐぬぬ、手強い。


私はとりあえず今日のところは諦める事にした。



「ねぇあなた、そんなに暇なの?」

「いえ、こう見えても暇じゃないです、一応受験生なんで」

「そうよね。頭悪そうだし、私の所に来るより勉強した方が良いんじゃないの?」

「ここに来ないと落ち着いて勉強できないんで」

「は? 私のせい?」

「いえ、そんな事言ってません……」


不毛なやり取りが続く……。


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