先生がいてくれるなら③【完】

でも、これでも最初の頃よりはずっと話してくれるようになった。


それこそ最初は完全に会話拒否で全く会話にならなかったから、それを思うと多少は私に心を開いてくれてるのかな、なんて思ってみたり……。



「あなたまさか、まだ進路が決まってないなんて言わないわよね?」

「……一応行きたい所は決まってます。まだ学力がちょっと足りないだけで……」

「はぁ!? じゃあますます私の所に来てる暇なんて無いじゃない。ほんっとうに、バカなんじゃないの!?」

「……」


返す言葉もない私、だけど、やっぱり彼女の事が気に掛かる。


それは、体調とか身体の事もそうだし、やっぱりボイスレコーダーと例の動画の件も……。



それを敏感に察知した高峰さんは、私に「本当に気になってるのは私の事じゃなくて、アレの事でしょ?」と美しすぎる微笑みで私を見つめた。


ますます、返す言葉が無い。


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