先生がいてくれるなら③【完】

あの高峰と、どうしてそんなに関係を続けたがるのか、俺にはさっぱり理解できない。


あいつと一緒にいて立花に良い影響があるとは、とても思えない。


だが、立花は自分の主張を変える気は無いようだ。



俺は小さくため息を吐いた後、ゆるりと首を振って顔を上げた。


「……お前、強くなりすぎ」

「先生ひどい。悩んだ挙げ句、第一声がそれですか?」

「仕方ねぇじゃん。お前がこんなに強くなるのは計算外なんだよ」

「……。私は最初っから結構こんな感じですけど……」

「そうだったかなぁ……。とりあえず、分かった、約束する」


嫌々感を滲ませて言うと、立花は眉間に皺を寄せた。


仕方ないだろう、本気で嫌なんだから。



立花が説明を始めたが、色々ツッコミどころが多すぎて、話がなかなか前に進まなかった。


色んな所に突っかかる俺も悪いけど。


でも、高峰が出した条件とか、俺に内緒で光貴と連絡先を交換してた事とか、なんかもう、気になりだしたら止まらない。


嫉妬深い男は嫌われるのだろうけど、──しかも弟相手に。


だけど、一度嫉妬心がわき起こってくると、なかなか止めることは出来そうになかった。


離れている時間が長かったことも影響していると思う。



嫉妬に駆られて立花の頬を引っ張って警戒心の無さを指摘してやると、こともあろうか、光貴を庇い始める始末……。


──はぁ、コイツの思考回路って、どうなってんだ?


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