先生がいてくれるなら③【完】
いろいろあったけど、先生と再びお付き合いするようになった。
──夏休みと言うこともあって先生はそれほど忙しくないとは言え、やはり平日はもちろん学校で仕事をしていて。
そして私は高校三年生、つまり、受験生なわけで……。
平日はほとんど会えず、時々土曜日の午後や夕方とかにちょっと先生のお家にお邪魔したり、日曜日に近場にドライブに行ったり──ぐらいしか会えない。
まぁ、覚悟はしてたけど。
そして私の心配事は、……もちろん勉強もまだ色々と心配なんだけど、やっぱり先生の食事事情がとっても心配……。
そもそも食事に無頓着な人なので、下手したら一日で口にしたものと言えばコーヒーとコーヒーとコーヒー、なんて事になりかねなくて。
「先生、それじゃ死んじゃいます……」
私が涙ぐみながらに訴えると(もちろん半分演技)、先生は涼しい顔してビスケットタイプの栄養補助食品をモグモグする、って言う……。
先生、それじゃあホントに死んじゃいます……そんなの、私泣く!
──とまぁ、そんな経緯がありまして、週に一度、私が作り置きのお弁当を一週間分作って先生の家の冷蔵庫やら冷凍庫に詰め込む、と言う契約を無理矢理取り付けた。
先生は「そんな事やってないで勉強しろ」って怒るんだけど、先生の健康あってこそだから、そこは譲れない。
「先生が倒れたら、私、大学行くのやめます。もうニートになる!」
私がそう言い放って、先生を黙らせることに成功した……!
脅しなんかじゃないもん、本気だもん!