先生がいてくれるなら③【完】
先生にはせめて一日一食ぐらいはちゃんとした食事をしてもらいたい。
ついでに自分とお母さんの分も一緒に作れば、いろいろ一石二鳥どころか三鳥とか四鳥ぐらいかも!?
そんな夏休みを過ごしていたわけだけど、夏休みももうあとわずか、と言う頃のこと──。
私はいつものように先生用のおかずを作っていたところで、食材が足りないことに気付いた。
時計を見ると、夜の7時過ぎ。
私は駅前のスーパーに買い足しに行く事にした。
8月も終わり頃になると大気の状態が不安定な日が多く、この日も夕方から徐々に雲が増え始め、どんどん雲行きが怪しくなって来ていた。
でも、サッと行ってサッと帰って来ればきっと大丈夫、……と暢気に考えていたのがダメだった。
もちろん傘はちゃんと持って行っていたけど、家を出てすぐぐらいで早くも雨が降り出し、引き返そうかどうか迷っている間に遠くで雷がゴロゴロ聞こえ出し……。
──いや、でも、玉ねぎ買いたい。
あれが無いとハンバーグ作れないし。
とにかく玉ねぎだけ買って、走って帰れば大丈夫……。