先生がいてくれるなら③【完】
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もうすぐ体育祭の季節。
体育祭実行委員の司会のもと、出場種目を決めているところだ。
私は短距離が得意なので、短距離系の種目を希望している。
去年の記憶がある人は恐らく私を例のリレーに推薦してくると思うけど、今年はあまり走りたくないなぁ、なんて考えているところへ、担任の島崎先生が教室へ入ってきた。
そのまままっすぐ私の元に来て、「立花さん、ちょっと話があるから一緒に来てくれる?」と言われた。
はい、と返事をして、席を立つ。
私の希望種目はまだ採決をしていないので、椿に代理を頼んで教室を出た。
先を歩く島崎先生を追って、廊下を進む。
歩きながら島崎先生が難しい顔で辺りを見回して、小声で「校長室に行くから」と私に告げた。
──校長室?
私、何かしただろうか?
職員室前を通り過ぎ、少し奥まった場所にある校長室の扉を、島崎先生がノックする。
中から校長先生の「どうそ」と言う声がして、島崎先生と私はその部屋に足を踏み入れた。