先生がいてくれるなら③【完】
私が食洗機に食器をセットしようと準備を始めると、先生が真後ろから私を抱き締めてきた。
お腹に回される先生の手……。
「先生……、後片付け出来ません……」
「……ん、何か手伝おうか?」
「ふふっ、食洗機にセットするだけですから、何も手伝ってもらえるものが無いですよ」
「ざーんねん」
最近の先生は、色んな意味で、すごく甘い。
まず、私をとことん甘やかそうとする。
車に乗り込む時、私がドアを開けるのを許して貰えない。
玄関扉だって、先生が傍にいる時に私が手を触れると、「俺が開けるから」って言われちゃう。
荷物を手に持っていたら、すぐに先生が私の手から奪う。
それに加えて……
最近はすごくスキンシップが増えた。
先生の部屋で一緒にいる時は、必ず私のどこかに触れてる。
いまはこうやって後ろから抱き締めてくるし、ソファに座ってる時も、基本的に私の場所は先生の足の間で、同じように後ろから腕が回されている。
かろうじて離れてる時は、先生が仕事に集中してる時ぐらいかも知れない。
仕事中だって、ちょっと集中力が途切れると、いつの間にか私の髪をくるくると指に巻き付けていたり、私の腰に手が伸びてきたり……。