先生がいてくれるなら③【完】


遅い夕方になって、立花から携帯にメッセージが送られて来た。



【2組の女子たちにバレたって聞きました】



あぁ、多分、倉林あたりが今日の出来事を話したんだろうな。


……二人きりで話したんじゃなければいいけど。


なんて、相変わらずあのふざけた男子生徒に嫉妬してしまう幼稚な自分を、止めることが出来ないでいる。


〈適当にあしらったよ〉


そう返信すると、すぐに【数研のみんなと倉林君たちに、外で会ったり、準備室にひとりで行くのを禁止されました】と返ってきた。


立花に話したのが倉林だけじゃなかった事に、思わず安堵する。


〈その方が良い〉


短く返事をすると【会って話せないの、寂しいです】と返ってきて、愛しさがつのる。


俺も同じ思いだ。


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