先生がいてくれるなら③【完】

もともと二人きりで会える時間は限られている。


それが、今まで以上に制限されるのだと思うと……、俺も、心の底から寂しい。


だけどその理由が俺自身のせいだと考えると、立花にとても申し訳ない気持ちになった。


ますます自分の顔が嫌いになる。


こんな顔のどこが良いんだ……?


そりゃあ、醜い顔ではないとは思うが、でもだからって、そこまで良い顔か……?


毎日鏡を見るのが本当に苦痛で、この学校に赴任するにあたって、前髪を伸ばし、くそダサい変な眼鏡で隠した顔を洗面の鏡で見た時は、心底ホッとした気持ちになった。


こんなことなら最初からこうすれば良かったのだ、と思ったものだ。


しかしそれも、いつかはバレてしまう。


分かっていた事、だったはずだ……。



とにかく、これから立花と外で会う時は、細心の注意が必要だ。


倉林たちが言うように、校内で会うのも気を付けた方が良いだろう。


……くそっ、俺の顔が元凶で、また面倒なことになった。


また女どもに取り囲まれる、あの悪夢のような光景が繰り返されるのかと思うと、学校へ行くことが心底憂鬱になってきた。


整形したいよ、本気で……。


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