先生がいてくれるなら③【完】

それに、なにより──、




「これからも一緒に、同じ時間を刻んでいきたいから」




俺のこんな重苦しくてキザな台詞にも、嬉しそうに、少し涙ぐんで頷いてくれた立花が、本当に本当に愛おしい。


「先生、ありがとうございます、すごく、すごく嬉しいです……」


嬉しいのはこっちだよ、立花……。


俺がどれだけお前に感謝してて、どれだけお前を愛してるか、分からないんだろうな……。


泣き虫の可愛い恋人を抱き寄せて、額にキスを落とした。


潤む瞳で俺を恥ずかしそうに見上げ、無意識に、無防備に、俺を煽ってくる。


そんな顔、他の男に見せたりするなよ……?



「あのね、先生……」



上目遣いに俺を見つめてくる、その暴力的な可愛さに完全に打ちのめされていると、何やら俺に「お願い」とやらがあるらしい。


今なら何でも言うことを聞いてしまいそうだ。


「ん、なに?」

「えっと……、」


自分から言い出したくせに、もじもじしてなかなか言い出さない。


うん?


立花の顔を覗き込むと、もじもじしながら頬を赤らめながら少し俯いた後、やっと心を決めたように顔を上げて、再び上目遣いで俺を見上げた。




「先生、おとなの、……キス、を、教えて下さい……」




────は、い……???



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