先生がいてくれるなら③【完】

それにしても、“プロポーズの予約” だなんて……。


嬉しすぎて、どうにかなってしまいそうだった。


嬉し涙を流し続ける私を、先生はそっと抱き締めてくれた。




お母さんから、今年もお泊まりの許可をもらっている。


順番にお風呂に入って、去年みたいに髪の毛を乾かし合って。


去年は “一緒に寝るか、別々に寝るか” で一悶着あったけど、今年は先生も最初から私と一緒に寝る用意をしてくれている。


でも、「一緒に眠るだけ、だからな?」と、少し困ったような表情で言う。


「分かってます」


それで十分です。



「おいで」と言われ、先にベッドに横たわる先生の隣に、ゆっくりと近づく。


遠慮がちに近づいて、少し距離をおいて横になろうとすると、先生に腕を引かれて、あっという間に先生の腕の中に収まってしまった。


あ、先生からボディーソープの香りがする……。


私からも、……同じ、匂い。


「……ふふっ」

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