先生がいてくれるなら③【完】
面倒だと思う学校行事に、一位に文化祭、次いで、体育祭を第二位にあげたいと思う。
準備やら何やらで、普段のデスクワークに加えて、あちこち駆けずり回らなくてはならないこの行事、ほんと俺的に激しく不要だと思う。
挙げ句の果てに、また校長のゴリ押しで無理矢理走らされた、リレーのアンカー。
こうなったら意地でも1位を取ってやろうと、思わず本気を出したのだが……。
バトンパスの小さなミスもあったし、何よりも競り合った生徒チームの足が思ったよりも速く、残念ながら俺が1位でゴールテープを切ることは出来なかった。
……くそっ、俺は一体何のために全力で走ったんだ?
こんな事ならもっと手を抜けば良かった。
しかも負けた相手が倉林チームだったから、余計にムカつく。
……いや、俺のクラスのチームだから喜ぶべきところなんだけどさぁ、でも、ムカつくんだから仕方ない。
まぁいい、とりあえず面倒な体育祭は無事に終わった……。
──12月に入るとすぐに、球技大会なるものがある。
去年も立花に「絶対に見に来ないで下さい!」と言われていたのだが、実はこっそり見に行った。
足は速いくせに、球技が大の苦手らしく、昨年度バスケを選択した立花は、ただコートを行ったり来たりと走っているだけだった……。
ごくたまにパスが回ってくると、おろおろと困惑しながら適当に手近な人間にパスをしてしまうので、案の定簡単に相手チームへボールが渡ってしまい、激しくしょげていた。