先生がいてくれるなら③【完】

今年は……どうやらバスケではなく、バレーに参加することになったらしい。


クラスで仲良くしている西之園椿がバレー部だから、恐らく強引に引き込まれたのだろう。



今年も「絶対に見に来ないで下さい!」強くと言われたけれど、俺のクラスの女子バレーチームが、立花のチームと当たることになったので、俺は大手を振って体育館へと足を運んだ。


──案の定、立花はボールをとんでもない所に打ち上げ、それを西之園が必死に繋いで……と言う綱渡りな試合展開を繰り返している。


西之園も頑張るなぁ……。


まぁ、誘った手前、拾うしかないか。


西之園に同情して苦笑いをした所を立花にバッチリ目撃され、立花の怒りを買った。


立花には内緒だが、チームの皆に申し訳なさそうにしてる顔も可愛かったし、変なところに打ち上げて困ってた顔なんかはもう、めちゃくちゃ可愛かった。


体育館内でなるべく顔に出さないようにするのが大変だったよ。



こんな風に、学校でのお前を見るのも、もうあと少しなんだな……。


そう思うと、やはり少し寂しい。


卒業すればもう少し一緒にいられる時間が増えるとは思うけど、でも、こうやって学校でのお前を見られるのも、あと少しだけ……。


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