先生がいてくれるなら③【完】

「ははは、変なヤツ。お前が渡したんだろ? そんな反応してくれるんなら、これから毎日これかけて学校行こうかな」

「うわっ、やめて下さい、ファンが増えます! 学校でかけるの禁止!」


それじゃなくても先生の顔がバレてからと言うもの、もの凄い勢いでファンが増えてると言うのに、これ以上ライバルが増えるとか、無理です、無理!


無理なことばかりすぎて、どうしたら良いのやら……途方に暮れてしまう。


「ばーか。ウソに決まってんだろ」


グシャグシャと頭を撫でられ、私の頭の上にすっかり鳥の巣が出来上がった。


うわぁ、どんな鳥を飼うのがオススメかしら……しくしく。


「一緒にお出かけする時にかけるから。ありがと」


そう言ってニコリと笑って、私の頭の鳥の巣をフワフワと触る。


「一緒にお出かけ……、」


その言葉だけで嬉しくなって舞い上がってしまう私は、かなり単純だと思う。


……まぁ、受験が終わるまで無理だけどね。


< 312 / 352 >

この作品をシェア

pagetop