先生がいてくれるなら③【完】

3組の代表が登壇し、卒業証書が授与される。



──立花、卒業、おめでとう。




そうして全てのクラスの授与が終わり、校長のはなむけの言葉やら何やらが全て終わり、いよいよ卒業生が退場する。


先導するのは、本当に、これが最後だ。


温かい拍手と共に花道を歩む。



保護者席に、立花の母親が見えた。


視線だけで挨拶をする。



──と、その隣に、なぜかよく知っている面々がいる事に気がつき、俺は思わず吃驚した。




なんで……、なんで親父と光貴と広夢がいるんだよ!?




卒業生を先導する担任が変なリアクションをするわけにもいかず、なんとか驚きを隠しつつ静々と体育館を後にした。


おい、聞いてねーぞ……。


……立花、泣くだろうなぁ。




ともあれ、無事、卒業式は終了した。



立花、卒業、本当に本当に、おめでとう────





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