先生がいてくれるなら③【完】
「先生、外でも一緒に写真撮って下さい~!」
女子どもが俺を取り囲んでそんなことを言い始めたが、俺は「本日の撮影サービスは終了!」と言うとブーイングが始まった。
うるせー。
お前ら、最初の頃と態度が違いすぎるだろ!
校庭へ出ると、撮影の列が勝手にできはじめ、一緒に撮らざるを得なくなった。
この列を管理し始めたのが立花の親友の滝川美夜だったから、仕方がない。
撮影の合間に「先生、撮り終わらないと帰れませんよー?」と説得され、渋々撮影に応じた。
恐らくかなり不機嫌な顔での撮影となっているに違いないけれど、それは俺のせいじゃないからな。
ようやく列が途切れたのは、随分時間が経ってからだった。
その間何も言わずに待っていてくれた数研の連中と、立花、滝川、西之園、そしてなぜか倉林。
そのメンバー全員で何枚か写真を撮って、それぞれのツーショットを撮って、最後に立花とふたりきりの写真を何枚か撮ってもらった。
滝川が「先生、私たちはカモフラージュですからね~」と笑っていて、立花とふたりだけでの撮影が遠くから様子を見ている生徒達に不自然に見えないようにしてくれたのだと理解した。
立花は良い友人を持ったな。