先生がいてくれるなら③【完】

そんな私を見て、教授は優しく笑って言う。


「いや、孝哉のことを一番理解しているのは恐らく明莉さんだと思うよ。だから、生意気なんかではない。ありがとう、近いうちに彼に話すことにするよ」


私は恐縮しながらも、コクリと頷いた。


──私が先生のことを一番理解しているかどうかは、とっても怪しいけれど。




きっと、“家族” としてまた新たにスタート出来ると思う。


今までの溝を完全に埋めるのは時間が掛かるかも知れないけど、それでも、きっと、新しく家族としての絆が作られると思う。





先生が、この先ずっとしあわせでいられますように────。




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