----未定----
泣き疲れたのか気づいたら寝てしまっていた。

ソファーで眠っていた私の体にはブランケットがかけられていて蒼さんの姿はなかった。

「蒼さん?」

あたりをきょろきょろしていると、

「起きたか?」

蒼さんがお風呂上がりの格好で現れた。

「私、、、、すみません」

泣き疲れて寝るなんて子供のようだ。申し訳ない。

「かまわない。泣いた方がすっきりするだろう。泣きたいときは泣く方がいい」

蒼さんは優しい。 

私を責めたりなんてしないし、文句も言わない。

「蒼さん。こんなにお世話になってごめんなさい。もう出ていきますから」

そういって立ち上がると

「おい」

と手をつかまれた。

「どうしたんですか?」

もしかして、恩知らずな失礼な奴と思われただろうか。

「ごめんなさい。また改めてお礼に伺いますから。」


「いや、そうじゃない。」

「なら、どうしたんですか」

蒼さんがなんだか気まずそうにしている。

「また何かあったらここへ来るといい。ここには俺しか住んでいないからな」

ほら。蒼さんは優しすぎる。

この優しさには涙が出てくる。

「ありがとうございます」

ありがたい言葉だが、蒼さんに迷惑かけるわけにもいかないしもうここへ来ることはないと

思っていた。




それなのに、、、、、
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