----未定----

それから2週間ほどして私は以前のようにバイトに復帰して今まで通りの生活に戻っていた。

気持ちは吹っ切れたわけではなかったけど、考えたってしょうがないと割り切っていた。

蒼さんとも会うことはなかったし、もう会うことはないんだと思った。




「遥ちゃん。今日は雨でお客さんも少ないし、最近シフト詰まってたでしょ。

だからもう上がっていいわよ。」

閉店の３０分前に店長がそう声をかけてくれた。

確かにあまりお客さんが増えそうな感じはなかった。

だから店長の言葉に甘えることにした。

「じゃあ、お先に失礼しますね。」

「ああ。気をつけて帰ってね」


着替えを済ませて外に出ると、雨で人通りも少なく、なんだか嫌な予感がした。

「早く帰ろう」

不気味な感じがして速足で家へと急いだ。




ドンっ

傘もさしていたし、急いで前をあまりよく見ていなかった。

「あ！ごめんなさい。」

慌てて前を見るといかにもチャラそうな男二人組が立っていた。

「おい、どこ見て歩いてんだよ。」

案の定突っかかってきた。

「ごめんなさい。少し急いでいて」

「ごめんで済むかよ。こっちは今ので肩痛めたんだけど？」

男の一人がわざとわしく肩を押さえた。

「ごめんなさい、ごめんなさい」

謝っても謝っても向こうは引かない。

どうしよう、、、、どうしよう、、、、、

こんなこと初めてでどうしたらいいかわからない。

「謝るよりも体で償えよ」

「え、」

男たちはあろうことか体で払えと言ってきた。

「む、無理です。そんなの。」

「お前に拒否権なんてないだろ。ケガさせといて。」

「そんなこと言われても。体でなんて無理ですから。

治療費は出しますから、勘弁してください。」

そう言って頭を下げるけど、男たちは許してくれない。

「とにかく来いよ」

そう言って、男たちは私の腕を掴んでどんどん裏道を

進んでいく。

「は、離してください！！」

私の抵抗なんて、男二人にかかればないも同じだ。

「やめて！離してよ!!」

どんなに抵抗しても男たちが解放してくれる様子はな

い。

人気のない裏路地をぐんぐん進んで気づけば周りに誰

もいないような所に連れ込まれた。

そして、一人の男が私の腕を抵抗できないように

掴んで、もう一人が私の体を弄り始めた。

「おぉ、いい体してんじゃん」

男たちがニヤニヤしながら言う。

「や、やめて!!　誰か！！誰か助けて！！！」

ﾊﾟｼｯ

「うるせぇよ！黙ってろ！！！」

助けを求めて声を上げると、頬をぶたれた。

頬がジンジンと痛むけれど、そんなの忘れるくらい

恐怖が勝っていた。

誰も助けてくれそうな人はいない。

もうだめだ。

だれも助けてくれない、、、、