君の声が好きなんだ
梨々花の机の方を見ると、5、6人の男女に囲まれていた。

「それでさぁ、梨々花聞いてよ!!竜山がさぁ、マジうざいんだよ」

先生の愚痴だとか、

「やばい、やばいよぉ、梨々花〜。明日、塾のテストなんだよー」

成績のこととか、

「梨々花〜。推しが尊い〜」

推しの話だとか、

そんな話を梨々花は嫌な顔、1つもせず、笑いながら時々相槌を打って、話を聞いていた。

そんな中、クラスの1人の男子が梨々花に話しかけてきた。

「なぁ、梨々花!お前、好きやつとかいんの〜?」

と、茶化して聞いてきた。

すると、周りがワッと騒がしくなり

「梨々花好きな人いるの〜?」

「気になる〜」

「でも、梨々花の彼氏はちゃんとした奴じゃなきゃ認めないからぁ」

なんて言いたい放題だ。

すると、困惑していた梨々花は

「えぇ…。私の好きな人…」

それ以上、俺は聞きたくなくて

「梨々花、委員会行くぞ」

わざと大声で、梨々花にむかって叫んだ。
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