君に伝えたかったこと
ラグに放り出されたバッグや書類。
(これじゃあ結婚はまだまだ先かもね・・・)
あきれた様子でさおりの物を拾い集めてテーブルの上に置く美貴恵。
そのとき、さおりの携帯電話が鳴り始める。
「さおりー 携帯が鳴ってるよ!」
シャワーを浴びているさおりに向かって大声を張り上げた。
「代わりに出ておいてー。お風呂から上がったらかけ直すって言ってくれればいいから」
「なに言ってるのよ。出られるワケないじゃない」
そう言っているうちに鳴りやむ携帯。
しかし、数秒もしないうちに再び着信音が鳴り響く。
どうせさおりに言っても代わりに出ろと言われるのがわかっていたので、そのままにしておいた。
そして三回目の着信音。
(もう、きっと同じ人だよ。急ぎの用事でもあるんじゃないの)
テーブルの上で振動する携帯の画面を、ふと見る。
「澤田芳樹」
美貴恵の頭の中が真っ白になる。
そして、次の瞬間、強烈な鼓動が体を包み込む。
(芳樹からだ! 今この電話に出れば話せる!)
ほんのわずかの迷い。
チャンスは着信音が途切れるまでの数秒間。
(これじゃあ結婚はまだまだ先かもね・・・)
あきれた様子でさおりの物を拾い集めてテーブルの上に置く美貴恵。
そのとき、さおりの携帯電話が鳴り始める。
「さおりー 携帯が鳴ってるよ!」
シャワーを浴びているさおりに向かって大声を張り上げた。
「代わりに出ておいてー。お風呂から上がったらかけ直すって言ってくれればいいから」
「なに言ってるのよ。出られるワケないじゃない」
そう言っているうちに鳴りやむ携帯。
しかし、数秒もしないうちに再び着信音が鳴り響く。
どうせさおりに言っても代わりに出ろと言われるのがわかっていたので、そのままにしておいた。
そして三回目の着信音。
(もう、きっと同じ人だよ。急ぎの用事でもあるんじゃないの)
テーブルの上で振動する携帯の画面を、ふと見る。
「澤田芳樹」
美貴恵の頭の中が真っ白になる。
そして、次の瞬間、強烈な鼓動が体を包み込む。
(芳樹からだ! 今この電話に出れば話せる!)
ほんのわずかの迷い。
チャンスは着信音が途切れるまでの数秒間。