君に伝えたかったこと
芳樹は、紗江と会っている自分を想像してみた。

なにを話して、どんなことを感じるのか・・・。

そして、なぜそんなことを想像するのかと自問自答してみる。

(なんだろうな、このスッキリしない気持ち)

元カノである紗江、ずっと会いたかった美貴恵。

その二人が、今間違いなく身近にいる。


『お疲れ様 芳樹。 無事に帰ったかな? 

今日もありがとうねー。

明日連絡待ってるよ』


さっき届いた紗江からのラインを読み返す。

『お疲れ様 紗江も今日はゆっくりな。
また明日連絡するよ』

そこにある温度差を芳樹だけは、はっきりとわかっていた。

三人の想いが複雑に絡み合う、ある夜の出来事。
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