君に伝えたかったこと
『今、電話しても大丈夫?』

『いいよ』

返信するとすぐに電話がかかってくる。

「もしもし。明日なんだけど空いてる?」、

「いつも紗江は急だな」

芳樹はパソコンのスケジュールをさっと確認する


「明日の夜なら空いてるけど」

「前から約束してた、お疲れ様会やろうよ、大志君も呼んでさ」

前に仕事が片付いたら飲みに行こうと言っていたのだが、急な仕事でキャンセルして以来、なかなか都合が合わず、今まで放置してしまった約束だった。

紗江のことが気がかりだったこともあり、その誘いを快く受け入れた。

「じゃあ、明日の6時にね。大志君にも言っておいてね」

「わかったよ」

(紗江らしいな・・・)

ふとそんなことを考えた。

芳樹もまた、紗江のことをよく知っている元恋人だった。
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