君に伝えたかったこと
第十章
未来
芳樹と繋がっている時間が戻ってきたことで美貴恵の気持ちは、ずいぶんと明るくなった。
毎日来るラインや電話。
話すことは他愛のないことだったけれど、それが日常にあることが嬉しかった。
だからこそ、美貴恵の中に、ひとつだけ残る不安材料を消してしまう必要があった。
あのとき、美貴恵が芳樹を遠ざけたたった一つの理由。
それは、二人の未来が見えなかったから。
芳樹のことを想う気持ちは、誰にも負けなかった。
でも、どんなに愛していても飛び込んでいくことができない悲しさ。
その先にあったのは、切なさに包まれた美貴恵の決断。
涙と悲しみと迷いに翻弄されながら、時が静かに流れていった。
(逢いたい・・・)
忘れることなどできなかったから、そっとしまい込んだ想い。
毎日来るラインや電話。
話すことは他愛のないことだったけれど、それが日常にあることが嬉しかった。
だからこそ、美貴恵の中に、ひとつだけ残る不安材料を消してしまう必要があった。
あのとき、美貴恵が芳樹を遠ざけたたった一つの理由。
それは、二人の未来が見えなかったから。
芳樹のことを想う気持ちは、誰にも負けなかった。
でも、どんなに愛していても飛び込んでいくことができない悲しさ。
その先にあったのは、切なさに包まれた美貴恵の決断。
涙と悲しみと迷いに翻弄されながら、時が静かに流れていった。
(逢いたい・・・)
忘れることなどできなかったから、そっとしまい込んだ想い。