君に伝えたかったこと
初めてデートした街に連れて行ってもらったその日、美貴恵にとって一番勇気が必要だった質問を投げかけた。

緊張のあまり、流れる涙。

「ずっと一緒にいたい」

その言葉を、どれだけ自分が待ち望んでいたのかもあらためて感じることができた。

(芳樹はちゃんと私の気持ちに答えくれた。今度は私の番)

嫌になるほど考えた。

途中で考えるのをやめたくなったことも一回や二回ではない。

二人が一緒にいるために、芳樹が幸せでいるために、どうすればいいのか。
付き合い始めたころから、ずっと考えていたような気がする。

答えが出ないとあきらめていた事もあった
でも、芳樹の気持ちを聞いた瞬間、迷いはすっと消えていった。

この先、きっと経験したことのない嫌な思いも苦労もするはず。

わがままで自分勝手。
そう思われたっていい。

我慢して生きていくのはもうやめよう。
仮面をかぶったまま、過ごすことなんてできない。

時間がかかっても構わない。

芳樹に飛び込んでいける自分に戻ろう。

(来週、芳樹に会ったら自分の気持ち、決めた事を全部素直に話そう。びっくりされるかな?
きっと大丈夫。芳樹がそう言ってくれたから・・・)



美貴恵は独身に戻ることを決めた。

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