君に伝えたかったこと
約束の日
(一週間後に、もう一度あの街へ行こう)
そう美貴恵と約束した日の当日。
午前中はどうしても外せない仕事が入っていたため、芳樹はいつもより少し早い時間に事務所へ来ていた。
仕事関連のメールをチェックし、手際よく返事を書き込んでいく。
時計をちらっと見る。
(美貴恵を迎えに行くまであと4時間。そんなに急がなくても間に合うな)
そんなことを考えたとき、大志がドアを開けて入ってくる。
「あれ?芳樹さん早いっすね」
「あ、うん。午後から用事があるからね。大志は?」
「今日はこれからS社で打ち合わせだけで、午後はずっとここにいます」
「了解。夕方に紗江が来るけど、お願いしたいことはパソコンにメールしておいたって伝えておいてくれるかな」
「そうそう、紗江さん地方に転職するって・・・」
「そうらしいな」
「なんか冷たくないっすか?芳樹さん。紗江さんが事務所に来られるのだって、あと1回か2回なのに」
「そんなことないだろ。今日はたまたまタイミングが合わなかっただけだし。近いうちに送別会でもやろう」
「ですね」
芳樹はデスクの引き出しの中から、封筒と一冊の本を取り出しカバンに入れた。
「じゃあ、あとはよろしくな」
そう言い残しドアを出て行った。
そう美貴恵と約束した日の当日。
午前中はどうしても外せない仕事が入っていたため、芳樹はいつもより少し早い時間に事務所へ来ていた。
仕事関連のメールをチェックし、手際よく返事を書き込んでいく。
時計をちらっと見る。
(美貴恵を迎えに行くまであと4時間。そんなに急がなくても間に合うな)
そんなことを考えたとき、大志がドアを開けて入ってくる。
「あれ?芳樹さん早いっすね」
「あ、うん。午後から用事があるからね。大志は?」
「今日はこれからS社で打ち合わせだけで、午後はずっとここにいます」
「了解。夕方に紗江が来るけど、お願いしたいことはパソコンにメールしておいたって伝えておいてくれるかな」
「そうそう、紗江さん地方に転職するって・・・」
「そうらしいな」
「なんか冷たくないっすか?芳樹さん。紗江さんが事務所に来られるのだって、あと1回か2回なのに」
「そんなことないだろ。今日はたまたまタイミングが合わなかっただけだし。近いうちに送別会でもやろう」
「ですね」
芳樹はデスクの引き出しの中から、封筒と一冊の本を取り出しカバンに入れた。
「じゃあ、あとはよろしくな」
そう言い残しドアを出て行った。