君に伝えたかったこと
(やっぱり断ればよかったかなぁ。でも、もうムリだよねー)

美貴恵は手の中でもてあそんでいたスマホをバッグに放り込み、再び視線を窓の外に戻した。

(だいたいさ 今日か明日に連絡が来るって、いつ来るのよ。こっちだって心の準備ってものがあるじゃない!)

考えれば考えるほど、マイナスに考えてしまう。
そして、そんな仕事を手伝うと言ってしまった自分に後悔していた。

(まぁ どれもこれも断りきれなかった自分のせいか・・・)

美貴恵は周りの人にはっきりと聞こえてしまいそうなほど大きなため息をひとつつく。
そして、そのため息は、開いた電車のドアから流れ出していく。

遅すぎた後悔

なにひとつ、乗り気になる要素が見つからない。
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