君に伝えたかったこと
(いまさら考えてもしかたないか)

自分の住む街、いつも使う駅。
冬の風が体をすり抜けていく。

美貴恵が駅前の駐車場に停めた車に乗り込んでいたころ、芳樹はきれいなカクテルライトに照らされた練習場で撮影の下見をしていた。

まだ二人の時間は別々だった

別々だったけれど、確実にその時に向けて進みはじめていた。

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