君に伝えたかったこと
第三章
はじめまして
美貴恵はオープンカーの助手席で後方に流れていく景色を眺めていた。
冬場の澄んだ空気が真っ青な空を作り出し、橋の上から見える港はまるでオモチャのようだった。
笑顔で今日の撮影について話しながら、ハンドルを握る男性。
まだよく知らない人
名前はサワダヨシキ
それだけの人。
― 撮影当日の四日前 ―
美貴恵が自宅のソファーで携帯のメールを打っているときだった。
Pipipipi…
見知らぬ番号からの着信。
(誰?)
ほんの一瞬ためらったがボタンをして電話に出る。
「はい」
「あ、吉里さんでいらっしゃいますか? 澤田といいます。はじめまして」
「あ、は はい」
冬場の澄んだ空気が真っ青な空を作り出し、橋の上から見える港はまるでオモチャのようだった。
笑顔で今日の撮影について話しながら、ハンドルを握る男性。
まだよく知らない人
名前はサワダヨシキ
それだけの人。
― 撮影当日の四日前 ―
美貴恵が自宅のソファーで携帯のメールを打っているときだった。
Pipipipi…
見知らぬ番号からの着信。
(誰?)
ほんの一瞬ためらったがボタンをして電話に出る。
「はい」
「あ、吉里さんでいらっしゃいますか? 澤田といいます。はじめまして」
「あ、は はい」