君に伝えたかったこと
片付けも終わり、また何もない普通の練習場に戻ってしまった撮影現場。

撮影が始まる前はあんなに緊張していたのに、美貴恵は帰り道、その緊張から解放された心地よい疲労感を楽しんでいた。

(車に乗ったり、ボール打ったりポーズ取ってみたりちょっと楽しかったな)

そんな想いがこみ上げてくる。

自分が知らなかった雑誌の撮影という現場でいろいろなことを知ることができた。
初めてのことばかりで最初はビクビクしてしまったが、それが楽しくもあり刺激的な時間。

そして、撮影中ずっとそばについて、色々なアドバイスをしてくれていた芳樹との距離がわずかに近づいたことも、心の片隅でたしかに感じていた。
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