君に伝えたかったこと
「じゃあ澤田さんは普段何してるんですか？」

「そりゃ仕事してますよ。あとは・・・パチンコ？」

「え？意外かも」

「何でですか？いたって普通じゃないですか」

「ほら、こういう業界でお仕事してる人はもっと派手なイメージがあるから」

「まぁ、そういう人もいますけどね。伊藤さんとかはそのタイプかも」

「ああ、さおりはそうかも。ヒマさえあれば飲み会にパーティーと遊びまくりだもんね。だからいまだに結婚相手が見つからないんだよ」

「あ、言っちゃいましたね。それ禁句でよす。巨大なお世話って怒られちゃいますよ」

「巨大・・・って・・・・」

もともと瞳が大きい美貴恵がさらに目を大きく開けて芳樹を見つめる。そして突然

「あははははっ」

大きな声で笑い出す。

（巨大なお世話）というフレーズがたまらなくおかしかったのだ。

「吉里さん笑いすぎです」

「ごめんなさい。だって巨大なお世話って・・・普通は大きなお世話でしょ。」

「まぁそりゃそうですけどね。伊藤さんにとってはそれくらいナーバスな問題なんです」

二人の会話にははなんの違和感もなかった。

（楽しい人だな…）

それが芳樹に対する正直な気持ちだった。
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