君に伝えたかったこと
車は夕方のラッシュを前にした、少しだけの空白の時間を縫って美貴恵の自宅へと近づいてゆく。
あと5分も走れば美貴恵の自宅に到着すると言う時になっても二人の会話は途切れることはなかった。

「じゃぁ吉里さん、今度飲みにでも行きましょう。伊藤さんと三人で」
「あ、そうだね。ぜひ」

なんのためらいもなく返事をした。

(この人と一緒にいたら楽しいかも・・・)

二人が出会ってから数時間

まだ何もわからないけれど、少しだけ知りたくなった。

それでもこの時間が終われば、二人はまた別々の時間を過ごしていくはずだったのに・・・

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