君に伝えたかったこと
だからと言ってまさか電話して
「どんな字を書くんですか?」
と聞くわけにもいかない。
普通の友達なら、そんなことも気軽にで聞けるのだろうが、まだ1回しか会ったことのない相手にそれを出来るはずもなかった。
しかたなく自分の携帯にひらがなで「さわだよしき」と登録した。
(なんだろ?全部ひらがなってヘンな感じ。今度ちゃんと聞いてみよう)
番号を登録したあとで、もう一度自分の携帯の着信履歴を確認した。
数分前までただ数字が並んでいた場所に
「さわだよしき」
と名前が表示されている。
まだ1回しか会ったことのない男性。
しかし次に会う時間を、以前のように面倒くさいとはまったく思っていなかった。
それどころか、約束した待ち合わせの時間までをどんな気持ちで過ごすのか、ほんの少し楽しみしている自分に気がついていた。
(デート…? じゃないよね。用事があるからだよね。だって雑誌を持ってきてくれるんだから。 私から連絡したわけじゃないし)
心の片隅にそんな小さな疑問が浮かんでは消えていく
気にしなければそのまま消えてしまいそうなほど小さな問いかけだった
「どんな字を書くんですか?」
と聞くわけにもいかない。
普通の友達なら、そんなことも気軽にで聞けるのだろうが、まだ1回しか会ったことのない相手にそれを出来るはずもなかった。
しかたなく自分の携帯にひらがなで「さわだよしき」と登録した。
(なんだろ?全部ひらがなってヘンな感じ。今度ちゃんと聞いてみよう)
番号を登録したあとで、もう一度自分の携帯の着信履歴を確認した。
数分前までただ数字が並んでいた場所に
「さわだよしき」
と名前が表示されている。
まだ1回しか会ったことのない男性。
しかし次に会う時間を、以前のように面倒くさいとはまったく思っていなかった。
それどころか、約束した待ち合わせの時間までをどんな気持ちで過ごすのか、ほんの少し楽しみしている自分に気がついていた。
(デート…? じゃないよね。用事があるからだよね。だって雑誌を持ってきてくれるんだから。 私から連絡したわけじゃないし)
心の片隅にそんな小さな疑問が浮かんでは消えていく
気にしなければそのまま消えてしまいそうなほど小さな問いかけだった