君に伝えたかったこと
本当の気持ち
駅前のロータリーには、ヒマそうに客を待っているタクシーが数台。
だいぶ暖かくなってはきたものの、時折通り抜ける冷たい風は、春の訪れがもう少し先のことを告げていた。
約束した時間より早めに到着した美貴恵は、芳樹がやってくるまでの数分間をどう過ごそうかと考えていた。
駅前でただ立っているのも寒いし、だからと言ってどこかのお店を覗くほどの時間もない。
結局は改札の脇で電話がかかってくるまでの数分間を潰すしかなかった。
約束の時間まであと数分。
時間を確認しようと、持っていた携帯の画面を見た瞬間、芳樹からの着信。
携帯の画面には
『さわだよしき』
と表示された。
すぐに着信ボタンを押さずに、わざと一呼吸おいて電話に出る。
「もしもし」
電話の向こうから芳樹の声。
その声を確かめるよう次の言葉を待った。
だいぶ暖かくなってはきたものの、時折通り抜ける冷たい風は、春の訪れがもう少し先のことを告げていた。
約束した時間より早めに到着した美貴恵は、芳樹がやってくるまでの数分間をどう過ごそうかと考えていた。
駅前でただ立っているのも寒いし、だからと言ってどこかのお店を覗くほどの時間もない。
結局は改札の脇で電話がかかってくるまでの数分間を潰すしかなかった。
約束の時間まであと数分。
時間を確認しようと、持っていた携帯の画面を見た瞬間、芳樹からの着信。
携帯の画面には
『さわだよしき』
と表示された。
すぐに着信ボタンを押さずに、わざと一呼吸おいて電話に出る。
「もしもし」
電話の向こうから芳樹の声。
その声を確かめるよう次の言葉を待った。