君に伝えたかったこと
やられた!
喫茶店に入り窓際の席に腰を下ろす。
窓の外に並んだまだ葉も少ない街路樹は時折、風に吹かれて二人の前にあるテーブルへ影を落とす。
美貴恵は手渡された雑誌をパラパラとめくっていた。
そして見始めてから数分、ページをめくっていた手が突然止まる。
(あっ!)
美貴恵は小さく驚きの声を上げた。
「びっくりですよね・・・僕も後で知ったんですよ。もう印刷が終わって雑誌ができあがってからですよ。もう少し前に知っていれば、まだ対処のしようもあったんですけど」
あまりの驚きで、その言葉も美貴恵の耳には届いていないようだった。
「さおりのヤツー!!」
広げたページには、これ以上ないほど大きな写真の中で美貴恵がほほ笑んでいた。
「僕も実際の本を見てビックリですよ。こんなに大きく吉里さんメインの写真を使うなんて思ってなかったから」
「さおりは掲載されても切手くらいのサイズっていったんだよ!」
「切手サイズ・・・って。切手ってこんな小さいんですよ」
芳樹は目の前で右手の親指と人差し指で輪を作り、おどけて見せた。
「こんなに大きく使うなら絶対に断ったのに・・・」
「この大胆なレイアウトの誌面の作り方はさおりさんらしいと言うか、なんと言うか…」
テーブルを挟んで一瞬の沈黙が生まれる・・・
ページをじっと見つめる美貴恵
窓の外に並んだまだ葉も少ない街路樹は時折、風に吹かれて二人の前にあるテーブルへ影を落とす。
美貴恵は手渡された雑誌をパラパラとめくっていた。
そして見始めてから数分、ページをめくっていた手が突然止まる。
(あっ!)
美貴恵は小さく驚きの声を上げた。
「びっくりですよね・・・僕も後で知ったんですよ。もう印刷が終わって雑誌ができあがってからですよ。もう少し前に知っていれば、まだ対処のしようもあったんですけど」
あまりの驚きで、その言葉も美貴恵の耳には届いていないようだった。
「さおりのヤツー!!」
広げたページには、これ以上ないほど大きな写真の中で美貴恵がほほ笑んでいた。
「僕も実際の本を見てビックリですよ。こんなに大きく吉里さんメインの写真を使うなんて思ってなかったから」
「さおりは掲載されても切手くらいのサイズっていったんだよ!」
「切手サイズ・・・って。切手ってこんな小さいんですよ」
芳樹は目の前で右手の親指と人差し指で輪を作り、おどけて見せた。
「こんなに大きく使うなら絶対に断ったのに・・・」
「この大胆なレイアウトの誌面の作り方はさおりさんらしいと言うか、なんと言うか…」
テーブルを挟んで一瞬の沈黙が生まれる・・・
ページをじっと見つめる美貴恵