君に伝えたかったこと
受話器を耳に当てたままキッチンへ移動する。

「実は…今度アタシの担当するページでねゴルフウェアの特集があるのよ。」

「ふーん」

冷蔵庫を覗き込みながら、さおりの言葉をなんとなく聞き流していた。

「でさ、そこに一般人のモデルを使うことになったんだけど、なかなかいい人が見つからなくて」

「それでその一般人モデルとやらになってくれそうな人が私の友達にいたら紹介してください・・・ってお願い?」

美貴恵はわざといじわるな口調でさおりに問いかける。

(そうなのよ)

こんな返事が来ることを予想していたのだが、電話の向うから返ってきたのは意外な答えだった。

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