君に伝えたかったこと
そのころ芳樹は撮影スタジオの駐車場にとめた車の中で美貴恵からのメッセージを読んでいた。

(やっとゆっくりできるなぁ)

大きく息を吸い込み独り言のようにつぶやいた。
最近はなかなか自分の時間を作ることができないでいたが、そんな生活でもいつも応援してくれる美貴恵は、これ以上ないほど大きな精神的な支えだった。


(美貴恵には精一杯できることをことしてあげよう。美貴恵の毎日が少しでも楽しくなるように…。決して負担にならないように…)

いつしか仕事の疲れから、シートにもたれたまま眠りに落ちてしまう。

寄り添いたいと思うお互いの想い

想いの先に広がる、見えてこない未来


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