君に伝えたかったこと

二人きり

久しぶりに朝からの合う事ができた二人は、車を一路、富士山方面に走らせる。

助手席では美貴恵は嬉しそうに話をしている。

「ねぇ、今日行くところは空いてるかな?」

「平日だしこんな時間だから混んではいないと思うよ」

「そっか、じゃあちょっとのんびり買い物できるね」

以前から買い物に行きたがっていた美貴恵を連れ出したのは、富士山のふもとにある大きなアウトレットだった。

途中で遅い朝食をとろうとパーキングエリアに車を停めた。
駐車場には色とりどりの車、バス、バイクたち

その中で美貴恵が真っ先に飛び込んだのはサービスエリアのスナックコーナーだった。

「朝から・・・甘いものとは」

「だってここのソフトクリーム、超おいしいってテレビでやってたんだもん」

早足でカウンターに並ぶ美貴恵の姿を見ながら、芳樹は端のテーブルに腰を下ろした。
しばらくして鮮やかなピンク色のソフトクリームを手にして席に戻ってくる美貴恵。

「あ、それか。ストロベリー?」

「うん 芳樹も食べる?」

そういって美貴恵が差し出すカップを受け取り少しだけ口に運ぶ。

「おいしい・・・けど。朝からソフトクリームじゃ今日は、完全にカロリーオーバーだ」

「いいの。だってこのアイス限定だよ! もう少ししたら食べられないんだよ」

「そりゃまぁ、そうだけど」

こぼれんばかりの笑顔でソフトクリームを食べる美貴恵を暖かく見守っていた。
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