君に伝えたかったこと
数日後、美貴恵は自分の気持ちをもう一度確かめるために、ひとつの行動を起こす決心をする。

(逢えなくてもいい、彼がいる場所に行ってみよう。あのときの選択が正しかったのか間違っていたのかなんてどうでもいい。ただ私はこのままの気持ちで毎日を後悔しながら送りたくない。)

何か行動を起こすことが答えのひとつにつながるような気がしていた。

しかし、これから先に答えが出たとしても、幸せな時間を再び手に入れている未来よりも、大きな後悔を抱える自分を想像するほうがはるかに簡単だった。

(もう私には興味がなくなってしまったかも

新しい恋人がいるかも。

そうだとしたら私がこれから辿り着くのはもっと切ない時間の入り口になる・・・)

それでもこのまま後悔するだけの時間に流されたくなかったのだ。

いくら自分が忘れようとしたところで、芳樹からもらったあの幸福な想いが薄れていくとは到底思えなかったから。

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