涙、滴り落ちるまで
誰も気付かなくて良いんだ……そう。気付かなくて……。

「……瑠依?」

気が付いたら僕はぼうっとしてたみたいで、ソルは心配そうに僕を見ていた。……どうして、僕にそんな顔を向けるんだろう?……分かんないや。

「ごめん!」

僕は笑顔を作って、一言謝る。ソルはじっと僕を見つめた後、服のポケットから白い光を放つブレスレットを取り出した。

「ちょっと瑠依に頼みたいことがあるんだけど……この町に、さっき戦った悪霊よりも強い力を持った悪霊がいるみたいなんだ。その悪霊を、俺と手分けして探してほしいんだ」

そう言いながら、僕にブレスレットを渡す。そのブレスレットを受け取った僕は、自分の左腕にブレスレットを嵌めた。

そして、ソルに「分かった。手伝うよ」と微笑んだ。
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