涙、滴り落ちるまで
「……八神 紫乃……死神、だよ」

「えっとね……紫乃は、約半年前に死神になって……担当区は、僕と一緒なんだ」

「…………半年前、か……そうだ。自己紹介をしないと……僕は、星川 透。一応、死神をしている」

「星川って、瑠依と同じ名字だよね?」

透の名字を疑問に思ったらしい、紫乃はそう呟いて首を傾げた。

「……ん?僕、瑠依の双子の弟だけど……?」

「え?」

僕と紫乃の声が重なる。僕の様子をじっと見てた透は「……やっぱりか」と呟いた。

「……詳しいことは、皆が集まってからするよ。同じ説明、何回もしたくないし……それで、ここはどこなの?」

「……天国」

僕が正直に答えると、透は「え?」と驚いた顔をする。僕は、もう一度「天国」と答えた。

「…………あ、そうか……だから、僕はここに……」

そんなことを透が呟いてると、家の扉が壊れるんじゃないかってくらい凄い音を立てながら開いて「瑠依!」と声がする。

「晴輝!思い切り開けないの!!」

「……ご、ごめん……」

僕が声がした方を見るとそこには、あれからさらに髪が短くなった晴輝と鬼の形相をした陽菜、そしてそれを苦笑しながら見てる綾とライラ様がいた。
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