涙、滴り落ちるまで
「……もう、1年以上は死神をしていますから」

クララ様の蹴りを跳んで回避すると、クララ様の攻撃が止んでいる間に刀を作り出してそのままクララ様に斬りかかる。

クララ様は僕の刀を自分の剣で受け止めると、にやりと笑った。

「……やっぱり、お前……弱いな。仲間の力を借りないと、戦えないのか？」

そう言って、僕の刀を弾いて僕を蹴り飛ばす。何とか体勢を整えて顔を上げると、僕の近くで短剣が落ちる音が響いた。

「晴輝！」

クララ様に攻撃をしようとしていたらしい晴輝の体は宙に舞っていて、僕は考えるよりも先に動く。晴輝に近づいて、体を受け止めるとクララ様から距離を取った。

「瑠依、ごめん……瑠依を傷つけようとする態度に、腹が立って……」

晴輝を地面に降ろすと、晴輝は申し訳なさそうに眉を下げる。

「……大丈夫」

僕は晴輝に向かって微笑むと、クララ様の方を向いた。その時、僕の隣にいた透が「……クララ様」と声を出した。

「……クララ様は、なぜ瑠依を忌み嫌っているのですか？今まで、そこまで嫌う人なんていなかったじゃないですか……！」

「そんなに知りたいか？なら、教えてやるよ……長年、地獄で死神をしてくれたお前もいることだしな」
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