涙、滴り落ちるまで
そう言ったクララ様は、僕をじっと見つめると「私はな」と口を開く。

「私は、お前が生きている頃から……お前を見ていた。見ていて思ったんだよ。お前は、地獄の死神にふさわしいと!でも、お前は天国の死神になりやがった!だからだよ」

クララ様は僕に近づくと、僕の服を掴んで自分の方へと引き寄せた。

「……」

「無理にでも、お前を地獄の死神にすれば良かった……そうすれば、私は」

「そこまでです!」

聞き慣れた声が聞こえてきて、クララ様は舌打ちをすると、僕の服から手を離す。

「ライラ……いつもいつも、邪魔しやがって……」

「クララ、これはどういうことですか?どうして、皆さんに転生の術をかけているのですか?」

僕の目の前に立ったライラ様は、そう言って手に持っていた杖をクララ様に向けた。

「転生の……術……?」

「はい。その名の通り、霊を転生させる術です。本来は、条件が揃わないと術が使えないはずですが……」

「……霊を転生させる術…………ということは……!」

僕が周りを見渡すと紫乃を除いた皆の体は光に包まれていて、僕は皆に近づく。

「……瑠依、お別れみたいだね」

少しずつ少しずつ、皆の姿は消えていく。

「駄目だよ、瑠依。私は、笑顔の瑠依が大好きなんだ。それに、またどこかで会える気がするんだ!それまで、さようなら……だね」
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