涙、滴り落ちるまで
「ライラ様!!」

天国にあるライラ様の屋敷の前まで来た僕は、ふぅ、と息を吐いた。

「瑠依、大変です!詳しくは、後で話しますので今から過去に行ってもらえませんか?」

ライラ様の言葉に、僕は驚くしか出来ない。そんな僕を見たライラ様は「時間がないんです!」と杖を僕に向ける。

次の瞬間、僕の目の前は光に包まれた。



「……」

僕が目を覚ますと、どこかの地面に横たわっていて僕は体を起こす。体の所々では傷が出来てて、傷が痛んだ。

……この景色、天国か……?それよりも……。

「……何だ?この状況は……」

僕の視界に映るのは、悪霊と対峙する皆の姿。不思議なのは普通の悪霊の見た目をしているのに、皆ボロボロなのとライラ様がいること。

僕は立ち上がって、呪術で刀を作り出すと参戦しようと走り出そうとした。

次の瞬間、僕の目の前に現れたライラ様の攻撃を防ぎ切ることが出来なくて、僕は吹き飛ぶと地面に叩き付けられる。

手と腕を支えに体を起こしながら顔を上げると、さっきまで悪霊と対峙していたはずの皆は警戒したような目で僕を見つめていた。

……一体、何があったんだ?

ヒュ、と何かが空を切る音が聞こえてきて、僕は素早く立ち上がるとその場から大きく飛び退く。
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