涙、滴り落ちるまで
僕はそう呟くと、空に向かってキーホルダーを投げる。次の瞬間キーホルダーが光って、僕の目の前に肩までかかる深い青色の髪の……前世の姿の静瑠が着地した。

「……この姿、見るのは久しぶりだな」

僕が静瑠の姿に懐かしさを感じて呟くと、静瑠は無言で少し驚いた顔をする。

「多分、ボクらは……瑠依が静瑠という名前を付けた辺りの時間に飛ばされたと思うんだけど」

菫の言葉に、静瑠は「……その日から、数日は経っているぞ」と返した。

「……ということは、僕が転生する半年くらい前の時間に来たんだ……静瑠、詳しく話を聞かせてもらってもいい?」

僕の問いかけに無言で頷いた静瑠は、何が起こったのか話してくれる。

今日の朝、僕は突然皆に攻撃をするとそのまま姿を消して、少し時間が経ってから僕はたくさんの悪霊を引き連れて皆と敵対した、らしい。

「……なるほどね。この状況、どうやって…………今回の件の元凶がいるはずだから、そいつを直接僕らで?いや、ダメだ……どんな相手か、分からないから……皆を、説得して未来から来たことを信じてもらうしかないのかな……」

僕が困りながら呟いていると、菫は「ふふっ」と笑った。

「……菫、どうしたの?」
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