涙、滴り落ちるまで
「……何者か……かぁ。僕は……人間と死神のハーフ、といった方が早いだろうか」

「ほう……ということは、お前も未来から来たんだね?それは、厄介だなぁ」

「……一体、君は……何が目的で未来から過去に来たの?」

僕が問いかけると、悪霊は怪しく笑った。

「目的?決まってるでしょ?世界を滅ぼすためだよ。そのためには、昔のお前を利用するしかなかったんだ……今になって、飽きたんだよ。この、世界がな」

「……逆に、10年以上も飽きなかったんだ?」

「不思議とな。死神の奴らにも見つかることはなかったし……」

「そっか」

そう返事をしながら、僕は刀を構える。悪霊は「ふふっ」と笑いながら刀を構えた。



「……強かった……」

何とか悪霊を浄化した僕は、地面に刀を突き刺すとその近くに座り込む。

「お疲れ様……凄かったね」

僕に近づきながら、紫乃は微笑んだ。僕は、ふぅ、と息を吐くと「ありがとう」と微笑む。

「……今日は、良く寝れそうだ……」

「そうだね」

僕が紫乃と話してると、「瑠依」と声をかけられて、僕は声がした方を見た。

「……皆、一緒に戦ってくれてありがとね。僕、未来から来たんだ……だから、そろそろ未来に帰らないと」
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