涙、滴り落ちるまで
僕は地面に突き刺した刀を消しながら立ち上がると、皆に向かって微笑む。

次の瞬間、僕の意識は途切れた。



目を覚ますと、どこかの部屋に横になっていて僕は体を起こす。僕が辺りを見渡すと僕の隣では紫乃が眠ってて、僕は紫乃を起こさないように立ち上がると、庭に近づいた。

……ここは、ライラ様の屋敷……?

「……俺は……悪霊になってから、天国に行くまでずっと……瑠依の居場所を探していた」

この声は、静瑠……?

「その時に会ったのが、前世の晴輝でな。戦いの最中、俺は……こいつなら、瑠依の心に寄り添ってくれるって不思議と思ってしまって、晴輝に浄化してもらった……というわけだ。気が付いたら、瑠依の中にいたことには驚いたが」

この声は……静瑠?

どこからか聞こえてくる静瑠の言葉に、ライラ様の屋敷を歩いていた僕は立ち止まる。

「そんなことが……そのことは、瑠依には話さないのですか?」

「話さねぇよ。瑠依が、聞いて来ない限りはな……さて、そろそろ帰って来る頃だろうし……戻るか」

僕は近くにいたことに気付かれないように、急いでさっきまでいた部屋に戻った。畳の上に座って、過去に行ってた時のことを思い出す。

「……瑠依、目が覚めたのか……」

僕がぼんやりとしてると声をかけられて、僕は顔を上げた。
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