涙、滴り落ちるまで
「……ソル!瑠依!」

誰かの声が聞こえて、僕とソルは立ち止まると声がした方を向いた。そこにはライラ様がいて、ライラ様は慌てた様子で僕とソルを見つめてる。

「ライラ様……?」

「今から2人に頼みたいことがあります。とある霊を保護してほしいのですが……」

「魂の保護……ですか?」

ソルの呟きに、ライラ様は頷くとソルを見つめた。

「松宮 佳奈(まつみや かな)……保護して欲しい霊の名前です。彼女は、地獄の死神に狙われているみたいで……」

「地獄の……死神……?」

僕が首を傾げると、ソルは僕の方を向く。

「死神は、天国だけじゃなくて地獄にもいるんだ……でも、何で地獄の死神が罪人以外の霊を狙うんだ?」

「……理由までは分からないです……とりあえず、保護してきてください」

「分かりました。でも、俺……今から幼なじみに会う約束が……」

ソルは、困った顔でライラ様を見つめた。それを見たライラ様は、何かを考え込む。

「……なら、僕……1人で行きます!」

「……瑠依、大丈夫ですか?」

「……大丈夫です」

僕はライラ様の問いかけに、そう答えた。ソルは「瑠依なら、1人でも大丈夫だと思う」と微笑む。
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