涙、滴り落ちるまで
「そっか……」

ソルさんは、安心したように笑った。正直、死神だとか言われても何も感じないんだよね。だからかな……そういう話とか、簡単に受け入れることが出来るんだ。

「そう言えば、君の名前は？」

「僕……？僕は、星川 瑠依(ほしかわ るい)」

僕が自己紹介をすると、ソルさんは何かを考え込む。

「星川……どっかで聞いたことのある……そうだ。思い出した。ライラ様から聞いたんだった」

「ライラ様……？」

「うん。天国を納めてる女神様なんだ……今から会いに行ってみる？」

「そんな偉い人に、簡単に会えるもんなの？」

僕が首を傾げると、ソルさんは微笑んで頷いた。

「ライラ様は、僕ら死神をまとめる存在でもあるんだ」

そう言って、ソルさんは僕の腕を掴んで走り出す。泉に続いてる道を抜けると、小さな建物が見えてきてソルさんは立ち止まった。

「ここは、天国への入り口。ここで霊たちは死神に住む場所を決めてもらって、その村に送ってもらうんだ」

その建物の中に、ソルさんは入ってく。僕が中に入ると、木で出来た机に向かい合うように座っていたソルさんと似た服を着た男性がソルに近づいた。

「ソル、もしかして……案内役になったのか？」

「違うよ。たまたまこの子を見つけて……」
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